中国の有名ミステリー作家、22年前の殺人容疑で逮捕される

サクラちゃん

2017年08月31日 14:39

 2017年8月20日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、中国の人気ミステリー作家が、22年前に殺人事件を起こした容疑で逮捕されたと報じた。

 1995年11月の夜、浙江省湖州市の小さなホテルで、宿泊していた男2人が盗みを働き、目撃した客1人を殺害した。男らはさらに、証拠の隠滅を図るためにホテルの経営者夫婦とその13歳の孫も殺して逃走。警察当局は捜査に乗り出したが、容疑者2人が安徽省なまりの男であること以外にめぼしい手がかりをつかむことができず、22年が経過した。

 しかし先日、事件は急展開を迎える。警察が6月より新たなDNA技術を用いて捜査を再開していたが、その中でミステリー作家の劉永彪(リウ・ヨンビアオ)と汪(ワン)姓の2容疑者が浮上。行方を追っていたところ、今月19日早朝に安徽省東部の南陵県で53歳の劉容疑者を逮捕した。また、その数時間後には64歳の汪容疑者も逮捕している。

 劉容疑者は1985年に作家デビュー。2013年には中国作家協会の入会資格を得たほか、有名な文学賞も獲得していた。2010年に発表した「難言之隠」のまえがきでは、「1人の美人作家が多くの人を殺しながら警察に捕まらないというミステリーを書きたかった」との記述が見られたという。

 警察官に対して劉容疑者は「私は今まで、ここであなたたちを待っていた」と語るとともに、事件後長年不眠に悩まされていたことを明らかにした。また、逮捕前に妻に宛てた手紙を用意しており、そこには「私は20年あまり、この日が来るのを待ち続けていたが、今日ようやくやってきた。これで長きにわたる精神的苦痛からついに解放される」とつづられていたという。