インドだが、宇宙開発も長らく独自で進めていた
「2003年には日本が、11年には中国が同様の計画に失敗しているのですが、インドは一発で決めた。アメリカ、旧ソ連、ヨーロツパ共同プロジェクトに次いで4例目の成功となりました」(外信部記者)
近年は“IT大国”として存在感のあるインドだが、宇宙開発も長らく独自で進めていた。
「国家プロジェクトとして取り組むようになったのは、1960年代に入ってからです。70年代は旧ソ連のロケット技術を、90年代以降は独自開発を進め、衛星の打ち上げ技術を高めてきた」(インド在住ジャーナリスト)
人件費の安い国産部品と独自の技術なら、安上がりになるのは当然。ライバルの中国に先んじ、国威は大いに発揚されたわけだが、それ以上にビジネスとしての可能性が広がった。
「99年以降、今年7月までに40機の外国衛星を打ち上げています。商業打ち上げだと、価格は他国の宇宙機関の75%程度と割安。ヨーロッパやアジア、南米からの引きム口いが多い」(同)
火星ミッション起案からわずか14カ月で成功に導いた高い技術力と、低価格。“宇宙ビジネス”の風雲児となるか――。