金色の数字5

サクラちゃん

2015年12月22日 16:43


チャールズ・ダミュースは、アルフレッド・スティーグリッツの「ギャラリー291」に定期的に出品したモダニストのグルーブのひとリだった。キュビスムと未来派双方から影響を受けたが、都会的で工業的な主題の選択、大きさの感覚、表現のの率直さはいかにもアメリカ的である。1920年代には、同時代の人々にオマージュを捧げた肖像ポスターの連作に専念した。これらは作家カートルード・スタインの「言葉による肖像画」に着想を得たものである。《金色の数字5》(1928年)はこのシリーズの中で最も洗練された作品である。これは友人のアメリカの詩人ウィリアム・カーロス・ウィリアムズにに捧げた油彩で、彼の「巨大な数字」という詩が絵のタイトルとイメージに反映されている。しかしダミュースの絵は詩の具象的な挿絵ではなく、暗い雨の町の街灯の中をサイレンを鳴らしていくNo. 5の消防車の抽象的な印象をあらわしたものともいうべきである。あちこちに記された語句とイニシャルはこの画家と詩人を意味している。