2015年06月08日

「5つの隔離島」とは?

「黒死病」と呼ばれたペストや、発疹チフス、黄熱、スペインかぜ、ハンセン病などの大流行した伝染病は数多くの人の命を奪ってきました。医療の発展によって各伝染病の危険を抑えられるようになっていますが、ワクチンが開発されるまでは致死率の高い強力な伝染病に対して「隔離」という対策が取られたのは当然の経緯なのかもしれません。そんな伝染病の拡大を防ぐために生まれた世界各地の「隔離島」がHakai Magazineでまとめられています。

14世紀のヨーロッパでは「黒死病」の別名を持つペストの大流行によって、全人口の約3割が命を落としました。初めてペストがヨーロッパに上陸したのは1347年のイタリアと言われており、強力な感染病が地中海の港から上陸していることに気付いたヴェネツィア共和国当局は、検疫のため港に着いた船を40日間にわたって強制停泊させる法律を作りました。この「40日間」は、悪魔に誘惑されたイエス・キリストが砂漠を放浪した期間からきているとされていますが、疫病の潜伏期間としても正しかったとのこと。

1377年にはラグーザ(ドゥブロヴニク)が孤島でペスト感染者の隔離を開始。ヴェネツィア共和国もそれに従って、サンタ・マリア・ディ・ナザレ島で感染者の隔離を開始したことで、世界初の総合検閲所を設けた「隔離島」が生まれたというわけです。その影響から、島の名前に含まれる「Nazareth」はイタリア語の「Azaretto」の語源となり、現代でも病気を隔離する意味を持つ言葉として使われているとのことです。



Posted by サクラちゃん at 11:07│Comments(0)
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